2008年9月11日木曜日

Predatorのゲイン設定の話

Ray Samuels Audio製ポータブルヘッドホンアンプ(PHPA)のPredator、のゲイン設定の話です。細かい。

Predatorには、ゲイン切り替えスイッチがあり、High、Mid、Lowの3段階に設定できます。インピーダンスが小さく感度の高いイヤホンなどを使う場合、ゲインを低く抑えることで、ボリューム操作に余裕ができるため使いやすくなります。Predatorの場合、Lowゲインの設定値は1なので、まさにそういう目的で用意したのでしょう。

ただし、このゲインを変えると、音の傾向も変わります。変わるといっても、全く別物になるのではなく、傾向差といって良い程度です。

具体的には、ゲインを下げるほど音の耳あたりが柔らかくなり、同時にウォーム傾向も強くなります。ウォーム傾向が強いといっても、低域側が持ち上がるというより、高域側が抑えめになっていく感じです。特にLowゲインに設定したときが顕著で、少々ウォームに傾きすぎているのか、楽曲によっては高いところまで音が伸びきる前にロールオフしていく様子が分かります。

歌が好きな僕としては、ソプラノの詠唱などを聞く際に、Lowゲインだとやや不満が残りますね。

もちろん、楽曲や好みによってはLowゲインの傾向の方が好ましい場合もあるでしょうが、個人的には、Highゲインに設定した方がPredator本来の姿ではないかという気がしないでもありません。

Highゲインの設定では、上記のような高域のロールオフは全く気にならず(それでもウォーム気味といえばウォーム気味なのですが)、柔らかめながらも他のゲイン設定時に比べてメリハリの利いた音を楽しめます。

ただ、こちらにも問題はあって、Highゲインの設定値が11とかなり大きいことです。おそらくですが、低インピーダンス高感度のイヤホンだと、ボリューム設定の余地がほとんどなくなってしまうでしょう。

という訳で、もし低インピーダンス高感度のイヤホンとPredatorを組み合わせて使う場合、Midゲイン設定がお勧めかと思います。こちらの設定でも高域のロールオフは余り気にならず、なおかつゲイン値も4と控えめですから、高能率イヤホンでもさほど使い勝手は悪くないかと。

なお、僕は高能率イヤホンを使ったことがないので、もしかするとそういうイヤホンなら、Lowゲインでも異なった聞こえ方になるという可能性は捨てきれません。念のため。

追記。今Predatorのおしりを見たら、MidではなくMedでしたね。MiddleではなくMediumだったか。

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