2008年4月28日月曜日
Headsixのミニジャック問題
その中で、手軽な対策が不可能な問題が1つあります。それが、ミニジャックの緩みやすさです。
上述したサイトの内容と重複しますが、具体的にどういう症状かというと、Headsixの入力側でも出力側でも良いのですが、ミニプラグを差し込んだ後、そのミニプラグを少し回転させると、するりと押し出されてしまい接触が断たれます。
結論から先に書くと、これはミニジャックへの差し込みが浅いため、ミニジャック内の電極がミニプラグのくびれ部分を完全にキャッチしていないせいです。なぜ完全に差し込めないのでしょうか。
現物を観察すると分かるのですが、この写真にある通り、ミニジャックの筒先がフロントパネルの表面よりも引っ込んだ位置にあることが原因です。
このように、やや奥まった位置にミニジャックを配置するにしても、通常はジャックの筒先周辺を削り、筒の先端を露出させるのが常識です。そうでなければ、完全な差し込みを期待できません。
流通している写真を見る限り、現行品のXXSや2MOVEも同様の問題を抱えているように見えますが、どうなんでしょうかね。
なぜMeier-Audioがこのような設計を行なったのか定かではありませんが、対策を考えてみましょう。
まず考えられるのは、上で書いた通りフロントパネルの表側からミニジャック周辺を削り込むことです。直径1センチくらいのドリルで、センターを合わせて1ミリちょっと削ればいけそうですが、この工作だけのためにドリルを買うのは難儀な話ですね。(可能性を検討してみました)
もうひとつの手だては、フロントパネルに対して内部の基板の位置をもう少し前に出す方法が考えられます。分解すると分かるのですが、Headsixではフロントパネルの裏側に、基板の前縁が接触することで位置関係が決まっています。基板に取り付けられているミニジャック部品の本体部分は、基板の前縁よりもややせり出していますが、これを逃がすために、フロントパネルの裏側には円形に削り込んだくぼみを加工してあります(これと同じ加工を表側にも行なってくれたら良かったのに)。
したがって、基板自体をもう少し前面側に持ってくるには、1:基板の前縁を1ミリちょっと削る。2:フロントパネル裏側の基板があたる部分に、深さ1ミリちょっとの溝を掘る。という加工で解決しそうです。
しかし、基板を削った場合に回路を損傷する恐れがあることや、どちらを削るにしても、ミニジャック部品自体に対するフロントパネル裏側のクリアランスが十分残っていなければ、結果的に基板をフロントパネルに押しつける力を、ミニジャック部品だけで(もっと細かく言えばミニジャック部品の足だけで)支える形になってしまい、長期的にはミニジャック部品もしくはその足をとめているハンダが損傷する恐れがあります。(可能性を検討してみました)
というわけで、さてどうしたものか、と僕の考えは止まってしまったのでした。やはり表側を削るべきかなあ。
2008年4月27日日曜日
夏も近づく
もうじき四月も終わりですが、三寒四温などと言いまして、まだ肌寒い日が続いたりします。とはいえ、五月も目前に迫っており、五月と言えば、夏も近づく八十八夜なわけでして、そろそろ夏物の準備を始めようかと考え出してもおかしくはありません。
暖かくなってくると、さすがにヘッドホンを被るわけにもいかず、ヘッドホン好きな僕でも自然とイヤホンに手が伸びるようになります。というわけで、イヤホンと組み合わせた時の使いやすさを考える上で気になる、ゲイン値の低いポータブルヘッドホンアンプ(PHPA)、中でもゲイン1(+0db)の設定が可能なものを、知る限り挙げてみました。
まずは、手持ちの中からRay Samuels AudioのPredatorです。個人的にはUSB DACが不要なのですが、かならず付いてきてしまうので、仕方ありません。ヘッドホンとの組み合わせでも、良い感じに愛用しています。僕的に言えば、おそらく今年の夏は大活躍するでしょう。
以下、持ち合わせていないPHPAを挙げていきましょう。こちらは同じくRay Samuels AudioのTomahawkです。イヤホン用だとケースに大書してあるのが印象的です。一頃ほどではないにせよ、かなり人気はあるようですね。それでも、僕の知る限りで最も新しいシリアル番号は1000番に届いていなかったのですから、なんて規模の小さな市場なのでしょうか。
続いてLeckerton AudioのUHA-3です。これもPredatorやTomahawkと同じように小型で、軽装でいたい季節には合いそうですね。そしてやっぱりというか、USB DAC付きです。ただし、TIの2702だけを使った構成とは異なり、レシーバに2706、DACにCirrusのCS4344を使っています。もしかしたら、と思わなくもありませんが、やはり僕にはUSB DACの需要がないので、関心止まりですね。
そしてもう1つ、Meier-AudioのCORDA 2MOVEです。同じMeier-Audio製のPHPAでも、小型の方のHeadsixとXXSには、ゲイン1の設定がありません。不思議ですねぇ。これもまたUSB DACを備えていますが、2702だけでレシーバとDACを兼用する構成です。軽装用には、微妙に大きいでしょうか。そう感じる人が多いかもしれません。
僕の知る限り、ゲイン1の設定が可能なPHPAはこれらの製品たちです。ほかにもありそうですが、どうなんでしょうかね。それにしてもBloggerはレイアウト機能が貧弱だなあ。
2008年4月21日月曜日
Go-Vibe V5
今はなきポータブルヘッドホンアンプ(PHPA)のGo-Vibe V5です。一時期ちょっと流行りましたね。
国内の音響製品販売店が、代理店業務を試みたりとかしてましたっけ。残念ながら失敗に終わったようでしたが。一括りにガレージメーカーとはいっても、色んな意味でその実情はピンキリです。ガレージ的なところは、とことんガレージ的で、サイドビジネスどころか、単なる余暇だったりしますから、契約で縛ってビジネスをさせるには無理があったのでしょう。
最近ではほとんど使わないのですが、SR-71とGo-Vibe V5を気分によって使い分けるという時期がありました。
鳴らし始めは結構雑な音がしましたが、落ち着いてくるとどこか艶っぽい音に聞こえたりして、なかなか楽しいアンプです。
音場は狭くディテールも甘めなのに、かえってそんなところが60年代のロックなどにはまったりします。
最初に「今はなき」と書きましたが、これは手放したという意味ではありません。基本的に、使わなくなった機材は手放すのですが、このアンプは手元に残っていますね。なぜなんでしょうか。理由は僕にも良く分からないんです。
2008年4月17日木曜日
PROCELL 9V Battery
Duracellブランドの中の業務用ブランドPROCELLの006P型アルカリ電池です。ややこしい。メーカーは、というかこの乾電池部門(子会社)の親会社は、Procter & Gambleなんですね。
業務用ブランドですが、店頭や通販でもおなじみの乾電池です。ここ最近、SR-71の電池はもっぱらこれを使っています。
SR-71で用いた場合、最初の妙に張りのある音が出る期間をやり過ごすと、その後は角が取れたような音になって、その状態が長く続きます。電圧の推移などは計っていませんが、所詮はアルカリ電池ですから、だらだら下がっているだけで、おそらくPROCELLならでは的な特別なことはないでしょう。
ちなみに、色々聞き比べてPROCELLを選んだ、みたいな格好良いうんちくがある訳ではなく、単に有名なブランドだったから使っているだけですね。楽器屋さんでもおなじみの電池ですし。あ、電池1つ1つに電極キャップが付いているところはお気に入りというか、ほかのメーカーも1個単位でブリスターパックにせず、こうやって電極キャップを付ければ良いのに、と思わなくもありません。
価格は1箱(12個入り)4000円くらいですから、吊るしで売っている国内家電メーカーブランドの電池と比べて、それほど高くないですね。
充電池ではないので、基本的には電池切れの音が出るまで気にせず使って構わないのですが、その状態で通電しっ放しのまま放置すると、液漏れの危険があります。電池が切れたなと思ったら、とっととスイッチを切って交換しましょう。アルカリ電池なので、漏れてくる液は腐食性が高く、ちょっとやばいです。
2008年4月15日火曜日
MAHA Powerex 9.6V
MAHA Energy製の006P型ニッケル水素電池です。容量が230mAhになってから、使い始めました。
その特徴は、006P型の箱に8個のニッケル水素電池セルを詰め込んでいることで、公称起電圧9.6Vを実現したことでしょう。無負荷時の電圧は、満充電後なら11Vを超えます。
ただし内部抵抗も高く、負荷を与えた状態だと端子間電圧は8V台半ばまで下がります。とはいえ、放電終了間際まで電圧が安定し、なおかつなるべく高めの電圧が欲しいとなれば、優良な選択肢の1つといえるでしょう。
ニッケル水素電池(に限った話ではありませんが)で注意しなければならないのは、過放電による劣化です。僕の場合、この電池は主にSR-71で使用しているのですが、SR-71にはニッケル水素電池の放電完了間際に発生する電圧降下を検出し、通電を停止する機能がありません。うっかり放置しようものなら、完全放電に至ることもあります。また、そこまで行かないにしても、SR-71が必要とする電圧を下回るまで放電してしまうと、かなり深く放電してしまうことになります。
ニッケル水素電池は、あまり深く放電しすぎると性能が劣化し、表層的には充電可能な容量が減ってしまいます。ここで問題になるのが、006P型電池は複数の電池セルを束ねた電池パックであり、この電池セルには性能上のばらつきがあるという点です。
ここで少したとえ話を。仮に、エネルギーの容量が100(単位は架空です)の電池セルを2つ備えた電池パックがあるとしましょう。また、ちょっと放電しすぎかなというエネルギー量を80と仮定します。さて、容量100の電池セルですが、電池セルAの容量は公称値を上回る110で、電池セルBの容量は公称値を下回る90でした(仮の話です)。この電池パックの各電池セルから、80のエネルギーを取り出すと、電池セルAの残量は30、電池セルBの残量は10となり、深放電の負担は性能が劣る電池セルBに多くかかります。その結果、電池セルBはより大きな性能劣化を起こし、容量が85に減ってしまいました。このように、深い放電を繰り返すと、容量が少ない性能の劣るセルに負担が集中し、そのセルの容量がさらに減る、という悪循環が生じます。
当然ながら、セル間のばらつきが少なければ、このような問題はあまり影響しないのですが、残念なことにPowerex 9.6Vは、電池セルのばらつきが少なくないようです。早いものだと、半年かそこらで、8セル中の1セルが大幅に充電可能容量を失ってしまったという経験もあります。
従って、006P型のニッケル水素電池を使う場合、性能をなるべく維持するなら、丁寧に放電管理を行なう必要があります。面倒ですけどね。もちろん、駄目になったら買い足せばいいのですが、有名店のThomas Distributing(配送はFeDex)やMAHA Energy直販(配送はDHL)だと、送料が馬鹿になりません。
ただ、困ったことにというか何というか、1セルが駄目になってしまった電池ほど、SR-71では柔らかな音になり、これが僕の好みにはまるのです。おそらくこれは、少し電圧が低めの方が、僕好みということなのかもしれません。
そんなこんなで、最近は使いっぱなしで済み、手間いらずのアルカリ電池を多用するようになり、少し疎遠気味のPowerex 9.6Vなのでした。
2008年4月14日月曜日
Etymotic Research ER-4S
Etymotic Research製イヤホンのER-4Sです。
オーディオ機器に付属するものを除けば、初めて購入したイヤホンだと思います。
子供の頃、ラジオに付属していたクリスタル型(あるいはセラミック型)の片耳イヤホンで、耳穴にひどい炎症を患って以来それがトラウマとなり、耳穴に差し込むタイプはもちろん、後にソニーが発売した耳甲介腔にかぶせるタイプですら、イヤホンと名のつくものを全て避け、ずっとヘッドホンを使い続けていました。
ですから、初めて購入したどころか、初めて使ったステレオイヤホンですね。
購入したのは、4年か5年くらい前(一度踏んづけて壊して買い直しました)なので、きっかけはあまり明確に覚えていませんが、たしか知人が「このイヤホンはすごい」みたいなことを言って勧めてくれたからではないかと思います。別に音にこだわってイヤホンを避けていた訳ではなかったので、どうしたものかと迷いましたが、その知人があまりに勧めるので買ったのではなかったかと。
最初は、その巨大な3段フランジのイヤーチップに困惑しましたが、意外なことにすんなりと耳奥まで入ったので、今までのトラウマは何だったのかと感じましたね。その知人には感謝しています。
ER-4Sは、よく低音が不足しているという話を聞きますが、あまりそういう印象はありません。ただし、低音がもりもりと出てくるようなバランスではないですね。あと、HD580を愛用していることからも分かる通り、僕自身があまり低音過多のバランスを好まないから、という側面もあるでしょう。
音場の表現は割合狭いのですが、上流側の影響を強く反映するようで、音場表現の巧みなPHPAと組み合わせると、結構なスケール感も表現できます。
遮音性やタッチノイズの少なさという点で見ると、フランジイヤーチップよりもフォーム製イヤーチップの方が好ましいのですが、なんというか、短期間で使い捨てるという感覚が性に合わないので、もっぱらフランジを愛用しています。
基本的には、晩春から晩夏まで、ヘッドホンでは暑苦しい季節に限って使用しています。僕的には、もうじきER-4Sの季節ですね。
2008年4月13日日曜日
Meier-Audio Corda Headsix
2007年の秋に、Head-Fiの6周年記念企画アンプとしてアナウンスがあり、Meier-Audioから代金の一部をHead-Fiの運営支援として寄付するという話だったので、Head-Fiには普段からお世話になっていることもあり、即購入しました。
現在、おそらく同じ仕様の量産版として、Corda XXSというPHPAが出ていますね。
音の方は、解像度こそあまり高くありませんが、十分な厚みを持ち、品良く繊細な表現をこなすので、なかなか侮れません。
006P型の乾電池1個で動作しますが、外部電源にも対応しており、外付けバッテリ(公称11V出力)を繋ぐことで、ぐっと透明感が増すようです。不得手なジャンルはほとんどないと思いますが、ぎらぎらした切迫感を求める音楽は、少々苦手と感じました。
ただ、工作面でやや難があり、万人にお勧めできる製品とは言い難いでしょう。この辺の問題については、「ポータブルヘッドホンアンプまとめサイト」に少し書かせてもらいました。いずれ時間を見て、再録しておきたいと思います。
Ray Samuels Audio SR-71
Ray Samuels Audio製ポータブルヘッドホンアンプ(PHPA)のSR-71です。
手元にあるPHPAの中では、使用期間が最も長く、おそらく稼働率も最も高いアンプでしょう。ボリュームつまみは、すでにオリジナルのものではありません。
第4世代のiPodを入手する前は、ポータブルCDプレーヤーと併用していました。
その音は、どこか優しく柔らかく、広い音場でふうわりと包み込まれるかのようで、細やかに分かれた音がさらさらと降ってきます。
複雑な構成でロマンチックな音楽や、スケール感があると楽しい音楽に適していると思います。
反面、切迫感が重要な音楽は苦手で、小編成かつ演出が単純なロックバンドの曲を再生すると、ほとばしるような熱さは伝わらず、どこか互いに疎遠な感じで、仲が悪そうにすら聞こえてきます。
フルオーケストラの音に浸りたいときや、ポップス系ならフレディ・マーキュリーやジョージ・マイケルあたりの色気たっぷりなクネクネした歌声に酔いたいときには、何よりもSR-71がはまるでしょう。
いや、男性の色気だけに興味がある訳ではありません。誤解のないように、同じくポップス系からアニー・レノックスとか、サラ・ブライトマンの歌声もSR-71にはまる音楽の例として挙げておきます。
2008年4月12日土曜日
Ray Samuels Audio Predator
Ray Samuels Audio製ポータブルヘッドホンアンプ(PHPA)のPredatorです。
昨年末の、新発売割引セールで購入しました。
Predatorは、USB DACを備える点が特徴の1つですが、個人的にはほとんど必要ないため、もし示す必要があるとしても、購入を正当化できる理由を持ち合わせていません。強いて言うなら、小さいPHPAが欲しかったのと、割引セール祭りに乗ってみたかったということくらいでしょうか。
その音ですが、比較的パンチの効いた音で、情報量重視と言うよりも、ノリ重視という感じがします。音場はあまり広くなく、スケール感が重要な曲は厳しい印象を覚えます。ざっくり分けてみると、ポップス系の音楽とは悪くない組み合わせです。スタジオ録音の女性ボーカルジャズとも、かなり相性が良いと感じました。
手元にあるほかの常用PHPAと同じく、Predatorの音にもある種の麻薬性を感じます。麻薬性とは、何の曲を聴きたいという感情ではなく、このPHPAで音楽を聴きたいという衝動に駆られて手を伸ばすことがある、という意味です。
機能面に目を向けると、セールスポイントの1つと思われるUSB DACですが、特に大きなアドバンテージはないようです。特別悪いところはないのですが、飛び抜けて良いところもないとでも言えるでしょうか。
ほかには、Gain1(0db)の設定が可能なため、能率の高いイヤホンで使い勝手が良いですね。夏場のコンパクトセットとして重宝しそうです。ただ、小さすぎてボリュームつまみが回しにくいため、何か代わりのつまみがないか探しています。
2008年4月11日金曜日
iPod 2nd Generation
Apple製のポータブルオーディオプレーヤーiPod(第2世代)です。
5年か6年くらい前になるでしょうか。この種のプレーヤーで初めて購入したものです。従来の第1世代と比べ、FireWireコネクタにカバーを設けた結果、歴代のiPodのなかで最もシンメトリーに近づいたモデルと言えるでしょう。
このデザインの立ち方には、未だに見惚れてしまうほどです。
一度バッテリー交換に出したので、当時購入した個体ではありませんが、今でも健在で、時折持ち出すこともあります。
音は平々凡々としたものですが、かえって耳心地がよい気がしますね。ただ、Apple LossLessファイルを再生できないなど、現在の僕の環境では、使い勝手に難があると言えるでしょう。
このiPodで、カセットウォークマンやポータブルCDプレーヤーにはない、ジュークボックス的な音楽体験に触れた結果、この後も第4世代、第5世代と買い足して今に至ります。
2008年4月10日木曜日
Sennheiser HD580
Sennheiser製のヘッドホンHD580です。
かれこれ10年以上愛用していますが、最初に購入したものは数年前に壊れてしまい、その際に修理せず新品を買い直したので、実際には2代目となりますね。
ドライバのグリルがパンチメタルのものになっていますが、これはHD600用の部品で、HD600登場後しばらくしてから補修部品として取り寄せました。
少し変わった色のHD580標準のグリルに比べ、色味が一致するので無地のハンガーデザインとも良くマッチします。音質的には大差ありません。交換した当時は、ドライバカプセルの剛性感が増して、低域のレスポンスが良くなったと感じましたが、おそらく気のせいでしょう。
ヘッドホンケーブルは、Stefan AudioArt製のEquinoxを使っています。ケーブル長はポータブル用途を考えて5フィートにしました。こちらも交換当時、音のディテールが増したと感じていましたが、多分気のせいです。長さを除けば、外皮がエラストマー製のストックケーブルの方が使いやすいと思います。
開放型ヘッドホンでポータブルというと、少し変に思うかもしれませんが、僕のポータブル用途とは、庭や公園や河原やホテルで音楽を聴くことなので、開放型でも問題がないのです。環境音と融け合うような音楽体験は、むしろ心地よいとすら言えます。
ポータブルオーディオは電車などの交通機関専用だ、という人も多いとは思いますが、この季節はぜひ公園や河原に足を運んで音楽を聴いてみてください。
2008年4月9日水曜日
Portaphile V2^2 Maxxed
Portaphileのポータブルヘッドホンアンプ(PHPA)、V2^2 Maxxedです。
音の基調はなめらかで繊細なくせに、力強さも兼ね備えた男性的な端正さを感じます。
なめらかさと繊細さの点で、SR-71とある種共通するものを感じますが、音の立ち上がり方というか、その現われ方に大きな違いがあるのは興味深いところです。
V2^2の音は高域から低域までよどみなく立ち上がり、どこまでもよろめかずにまっすぐ鳴り切るような印象を覚えます。
写真レンズにたとえて言うなら、SR-71がLeitzのElmarで、V2^2 MaxxedはZeissのTessarとでも言えるでしょうか。
別の言葉でたとえると、SR-71が羽毛布団に身を沈めてみる鮮明な夢なら、V2^2 Maxxedは上質の筆と墨で横一文字をどこまでもまっすぐ引いているかのようです。
音場はほどほどに広く、立体感があり、特別スケール感を求めない限り、不得意ジャンルはないでしょう。僕の感じる「まっすぐ感」のためか、はかないほどの繊細な音や、きりきりするほどの切迫感のある音も、全てそつなく表現してくれると感じます。
V2^2 Maxxedは、音質に影響する動作条件を内部のディップスイッチで設定できるのですが、最高音質の設定にすると、やたら消費電力が大きくなるのが唯一の欠点かもしれません。
以前計測した数字を思い出してみると、入力がない状態で流れる電流は80mA強、入力がありボリューム位置が12時の時に100mA強、ボリューム位置最大で百数十mA位の電流が流れていました。
電源は、006P型の乾電池が使えるのですが、ここまで消費電力が大きいと容量に不安があるため、僕は外付けのバッテリを用いています。
写真にあるバッテリは、ROWAのPM85-44ですが、容量(44Wh)とサイズが大きすぎるので、半分の容量のPM85-22の方が便利でしょう。
このバッテリは、公称出力11Vで、満充電時には12.4Vくらい出ています。