2008年4月15日火曜日

MAHA Powerex 9.6V


MAHA Energy製の006P型ニッケル水素電池です。容量が230mAhになってから、使い始めました。

その特徴は、006P型の箱に8個のニッケル水素電池セルを詰め込んでいることで、公称起電圧9.6Vを実現したことでしょう。無負荷時の電圧は、満充電後なら11Vを超えます。

ただし内部抵抗も高く、負荷を与えた状態だと端子間電圧は8V台半ばまで下がります。とはいえ、放電終了間際まで電圧が安定し、なおかつなるべく高めの電圧が欲しいとなれば、優良な選択肢の1つといえるでしょう。

ニッケル水素電池(に限った話ではありませんが)で注意しなければならないのは、過放電による劣化です。僕の場合、この電池は主にSR-71で使用しているのですが、SR-71にはニッケル水素電池の放電完了間際に発生する電圧降下を検出し、通電を停止する機能がありません。うっかり放置しようものなら、完全放電に至ることもあります。また、そこまで行かないにしても、SR-71が必要とする電圧を下回るまで放電してしまうと、かなり深く放電してしまうことになります。

ニッケル水素電池は、あまり深く放電しすぎると性能が劣化し、表層的には充電可能な容量が減ってしまいます。ここで問題になるのが、006P型電池は複数の電池セルを束ねた電池パックであり、この電池セルには性能上のばらつきがあるという点です。

ここで少したとえ話を。仮に、エネルギーの容量が100(単位は架空です)の電池セルを2つ備えた電池パックがあるとしましょう。また、ちょっと放電しすぎかなというエネルギー量を80と仮定します。さて、容量100の電池セルですが、電池セルAの容量は公称値を上回る110で、電池セルBの容量は公称値を下回る90でした(仮の話です)。この電池パックの各電池セルから、80のエネルギーを取り出すと、電池セルAの残量は30、電池セルBの残量は10となり、深放電の負担は性能が劣る電池セルBに多くかかります。その結果、電池セルBはより大きな性能劣化を起こし、容量が85に減ってしまいました。このように、深い放電を繰り返すと、容量が少ない性能の劣るセルに負担が集中し、そのセルの容量がさらに減る、という悪循環が生じます。

当然ながら、セル間のばらつきが少なければ、このような問題はあまり影響しないのですが、残念なことにPowerex 9.6Vは、電池セルのばらつきが少なくないようです。早いものだと、半年かそこらで、8セル中の1セルが大幅に充電可能容量を失ってしまったという経験もあります。

従って、006P型のニッケル水素電池を使う場合、性能をなるべく維持するなら、丁寧に放電管理を行なう必要があります。面倒ですけどね。もちろん、駄目になったら買い足せばいいのですが、有名店のThomas Distributing(配送はFeDex)やMAHA Energy直販(配送はDHL)だと、送料が馬鹿になりません。

ただ、困ったことにというか何というか、1セルが駄目になってしまった電池ほど、SR-71では柔らかな音になり、これが僕の好みにはまるのです。おそらくこれは、少し電圧が低めの方が、僕好みということなのかもしれません。

そんなこんなで、最近は使いっぱなしで済み、手間いらずのアルカリ電池を多用するようになり、少し疎遠気味のPowerex 9.6Vなのでした。

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